8/30(月)

カプリ島

ローマから日本人ガイド付のバスツアー(JTBのマイバス)でカプリ島1日観光に行った。乗客は、私達と、若い夫婦3組、年配の夫婦1組、女性2人組2組、女性1人、男性1人で、大部分が関西の人のようだ。海外旅行で出会う日本人は、関西の人ばかりのような気がするがどうしてだろう。朝7時にローマを出発、高速道路を通り、10時にナポリ港に着く。 船でカプリ島に渡り、カプリ島の港(マリーナ・グランデ)でモーターボートに乗り換え、青の洞窟の前まで行く。洞窟の前では観光客の乗った船がたくさん順番待ちをしている。ここでさらに手漕ぎボートに乗り換えるのだ。

洞窟に入るまで1時間くらい待った。ボートは漕ぎ手のおじさんが客6人を乗せ、一そうずつ洞窟に入っていく。洞窟の入り口は海面ぎりぎりなので、頭をぶつけないようにボートの底に寝て入る。入り口は狭いが中はかなり広くなっている。水深は20mくらいあって、外からの光は海底の白い砂に反射し、水中を通って洞窟に入ってくるため、壁や天井は真っ暗で、海水だけが青く光って幻想的な状態を作り出す。天候や波の状態によって、洞窟に入れないことも多いらしい。その場合は、青の洞窟の代わりに、スキー場にあるようなリフトに乗ってカプリ島の最高峰ソラーロ山(標高589m)に行くそうだ。

港に戻り、ケーブルカーでカプリの町に上がる。カプリ島は港とその反対側の海水浴場(マリーナ・ピッコラ)以外はほとんど断崖絶壁に囲まれていて、崖の上の台地にカプリとアナカプリという2つの町がある。駅を降りてすぐの展望台で記念写真を撮る。青い海と空、白い岩肌が美しい。まさに風光明媚という言葉がふさわしい。たとえ青の洞窟に入れなくても、カプリ島には十分来る価値がある。昼食をとった後、バスでアナカプリへ向かう。途中の道は断崖絶壁に作られていて、道幅も狭くスリルがある。アナカプリで40分ほど自由時間となる。 カプリ島は予習しないで来たので、ここでガイドブック(英語)を買った。妻は、カプリ島の植物を原料にして修道院で作っている香水を土産に買った。

バスで港に戻り、4時半の船でナポリへ。バスがローマに着いたのは夜8時半だった。夕食は、一旦ホテルに戻った後、ガイドさんが紹介していた「トモコの店」で、カプレーゼ、きまぐれサラダ、イカすみリゾット、ムール貝のソテー、ワイン、水、コーヒーで、58ユーロ。

現地で買ったガイドブックによると、青の洞窟以外に、赤の洞窟、白の洞窟、緑の洞窟、など洞窟がたくさんあり、他にもフラリオーニという海中に立つ奇岩、天然のアーチ、ティベリウス帝の住居跡や中世の修道院など、見所がいくつもあるようです。カプリ島はローマ帝国の時代からリゾートになっていて、レーニンも滞在していたことがあり、今は映画スターなど有名人がバカンスを過ごしにくる場所になっているそうです。ローマ帝国第2代皇帝のティベリウスは、ローマからカプリ島に引っ越して、ここに住んでいました。本当はカプリ島は、1日観光で来るより、滞在してのんびり過ごすところのようです。

映画「ナポリ湾」(It Started in Naples, 1960)

ガイドさんがクラーク・ゲイブルとソフィア・ローレンが共演したカプリ島を舞台にした映画があると言っていたので、帰国してから探しました。日本ではビデオが出てないようなので、アメリカで発売されているビデオをAmazonで買いました。

出演: クラーク・ゲイブル Clark Gable(アメリカの弁護士)、ソフィア・ローレン Sophia Loren(カプリ島のナイトクラブの歌手)、監督: メルヴィル・シェイヴルソン Melville Shavelson

イタリアに住んでいた兄夫婦が事故死したため、クラーク・ゲイブルがイタリアにやってくる。兄夫婦には息子が1人いたが、母の妹であるソフィア・ローレンが引き取って育てている。2人は親しくなるが、子供をめぐって争うことになる。ゲイブルは子供をアメリカに連れて帰ろうとするが、結局、カプリ島に戻ってきてしまう。

ケーブルカー、ソラーロ山のリフト、フラリオーニなどがでてきます。青の洞窟の中で2人で泳ぎます。

映画「旅愁」(September Affair, 1950)

もう1本カプリ島の出てくる映画です。こちらはレンタルビデオを借りて見ました。

出演: ジョセフ・コットン Joseph Cotten(アメリカの会社社長)、ジョーン・フォンテイン Joan Fontaine(ピアニスト)、監督: ウィリアム・ディターレ William Dieterle

ジョセフ・コットンとジョーン・フォンテインが、ローマからアメリカへ向かう飛行機で知り合う。飛行機は故障のためナポリに臨時着陸する。2人は修理の間にナポリ見物に行く。ナポリ湾を一望する丘の上のレストランでキャンティ・ワインを2本飲んで空港に戻ると、ちょうど飛行機が飛び立った後だった。2人はこの機会にと、ポンペイの遺跡や、カプリ島を観光し、恋に落ちる。ところが2人が乗るはずだった飛行機が墜落し全員死亡。2人も死んだことになってしまう。コットンはアメリカにいる妻と離婚しようとしていたが、妻が離婚を拒んでいた。死んだことになったのを利用して、2人はフィレンツェで新しい生活を始める。しかし、銀行の口座から金を引き出した事から足がつき、妻と息子がフィレンツェにやってくる。妻は離婚に同意するが、結局、フォンテインが身を引き、南米に旅立つ。

カプリ島では、ティベリウス帝の住居跡やフラリオーニを見物し、マリーナ・ピッコラ(たぶん)で泳ぎます。青の洞窟にも入りますが、白黒映画なので色が分かりません。飛行機から見たカプリ島もでてきます。

この時代には他にも、オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日 」(Roman Holiday, 1953)、キャサリン・ヘップバーンの「旅情 」(Summertime, 1955)など、イタリア観光を兼ねた恋愛映画の名作が作られています。

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