オペラ「優雅なインドの国々」Les Indes galantes

1999.9.20 パリ、オペラ座(ガルニエ)

作曲:ジャン・フィリップ・ラモー
指揮:ウィリアム・クリスティ
演奏:レ・ザール・フロリサン
演出:アンドレイ・セルバン
振付:ブランカ・リー
エベ、ファティム、ジマ:ナタリー・デッセー
ベローネ:ニコラ・カヴァリエ
アムール:ガエル・メシャリ
オスマン、アリ:ネイサン・バーグ
エミリー、ザイール:ハイジ・グラント・マーフィー
ヴァレール、ダモン:ポール・アニュー
ユアスカル、ドン・アルヴァール:ローラン・ナウリ
ファニ:マリン・ハルテリウス
ドン・カルロス、タクマス:イアン・パトン
アダリオ:ニコラス・リヴェンク

初演1735年。日本では、バロック・オペラは、まだ余り馴染みがありませんが、これは、その中でも、フランスで発達した、「オペラ・バレエ」と言われるジャンルの作品です。歌だけでなく、踊りも、重要な要素になっています。プロローグと4幕から成る、オムニバス形式です。タイトルの「インドの国々」とは、現在のインドではなく、ヨーロッパ以外の国の総称です。昔はこのような使い方をされていたようです。1735年のフランスから見て、インカや、アメリカン・インディアンはどんなだったのでしょうか。

舞台装置や演出、振付は、ポップな感覚で、ミュージカルのようで、楽しめました。「オペラ・バレエ」というジャンルはなくなってしまいましたが、ミュージカルの先祖なのかもしれません。

プロローグ
若さの女神エベが,ヨーロッパの恋人達を集め、幸福を歌っていると、戦いの女神ベローヌが現れ、若者に武器を取らせ栄光ために戦わせる。ヨーロッパの若者に見捨てられたエベは、アムールに、「インドの国々」に使者を送らせる。

第1幕「寛大なトルコ人」
太守オスマンは、キリスト教徒の奴隷エミリーに恋している。エミリーは、結婚式の日に海賊にさらわれ、恋人のヴァレールと生き別れになっている。難破船が漂着するが、中に、エミリーを探しに来たヴァレールがいた。ヴァレールが以前オスマンを助けた恩人であることが分かり、オスマンは自分の恋をあきらめ、2人を自由にしてやる。

第2幕「ペルーのインカ人」
ペルーの王女ファニは、スペイン人ドン・カルロスと、愛し合っている。神官ユアスカルもファニを愛している。太陽神の儀式が行われている時、火山が爆発する。ユアスカルは、ファニが外国人を愛したため、神が怒っており、怒りを鎮めるためには、ファニはユアスカルと結婚しなければならないと言う。カルロスが、実はユアスカルが火口に岩を投げ込み、噴火を起こしたことを明らかにする。噴火が激しくなり、ユアスカルは降ってきた岩に押しつぶされる。

第3幕「花、ペルシャの祭」
ペルシャの王子タクマスは、アリの奴隷ザイールに恋している。一方、タクマスの奴隷ファティムはアリに恋している。タクマスは、女装してアリの宮殿に忍び込む。ファティムも、男装して、アリの宮殿に忍び込む。タクマスは勘違いして、ファティムを殺そうとする。勘違いが解け、タクマスとアリは奴隷を交換する。愛の勝利を祝って、花の祭が行われる。

第4幕「未開人」
フランス人ダモンとスペイン人ドン・アルヴァールが、インディアンの女性ジマを口説いている。だが、ジマは、インディアンの戦士アダリオが好きだ。平和の祭が行われ,ジマとアダリオの結婚と、ヨーロッパ人とインディアンの和解が行われる。

戻る