ホテルに着いたのは、7時半だった。ロシアでは、ホテルにチェックインする時に、パスポート、ビザ、バウチャー(日本の旅行社で作ってもらった全日程を書いた物)を一旦フロントに預けなければならない。ロシアの法律で外国人を管理する手続きをするためらしい。1時間ほどで手続きが終わると預けた物は返してもらえる。
ホテル メトロポールは1903年に完成したモスクワの最高級ホテルだ。値段もツインで38,400円したが、それだけの価値はある。ロシアのホテルには、トイレットペーパーがなく、たとえあっても紙が固くて使えないため、日本から持って行かないといけないとか、風呂の栓がないので自分で栓だけ持って行かないといけないとか言う話も聞くが、このホテルはそんな事とは無縁だ。英語も通じるし、トイレットペーパーは花の絵を型押しした柔らかい紙だった。ミニバーもあるし、洗面所も清潔だ。ミネラルウォーターのペットボトルもサービスで部屋に置いてある。西側の高級ホテルと変わらない快適さだ。
朝食を食べたレストランは特に素晴らしい。天井は3階ぐらいの高さがあり、全面ステンドグラスになっていて、外の光が入ってくる。部屋の中央には噴水があって、ハープの生演奏を聞きながら朝食を食べられるのだ。食べ物はバイキングで、普通のパンと、らい麦から作った少し酸味のある黒パン、シリアル類、にしんの酢漬け等のザクースカ(前菜)、ハム、ベーコン、ソーセージ、卵料理、サラダ、フルーツ、各種ジュース、ケフィールというロシアのヨーグルトなど、お腹一杯食べられる。